大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 平成5年(あ)407号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人田中森一の上告趣意は、憲法三一条違反をいうが、公職選挙法二四九条の二第二項にいう「通常一般の社交の程度を超えて…寄附をした者」とは、その寄附にかかる財産上の利益の種類及び価額、寄附の趣旨、相手方との交際の状況等に照らし、社会通念上、通常されるであろう程度を超えて寄附をした者をいうと解するのが相当であつて、同条項の構成要件が所論のようにあいまいで不明確であるということはできないから、所論は前提を欠き、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 味村 治 裁判官 大堀誠一 裁判官 小野幹雄 裁判官 三好 達 裁判官 大白 勝)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例